Ladies and gentlemen, we're floating in Space.

2008生まれ男子の母、近しい人とはどーも話しづらい、お勉強にまつわる親バカな独り言。コストパフォーマンスと情緒を重視します。

頭足人をぶっとばせ~造形教室にたどり着くまで

3歳のころ。息子に
「Yくん、クレヨンで遊ぼうよ~」と誘いかけても
ほんの2、3分もやると
「Yくんうまくかけない」といって、投げ出していた。

お絵かきというのでもない、クレヨンでぐるぐる遊ぼう……と言って
夫やわたしがやってみせてもダメ。

幸い言葉は早かったので
「ま~、人には、得意不得意、好き嫌いくらいあるよね」と、思ってきたのですが。

しかし。4歳になる直前。息子は猛然と描き始めた!!

最初は「ミッキーとミニー」。
上に耳がある頭。その下の胴からのびる棒状の手足。確か手袋と靴も描いてた。

わたしは驚いた。

その前(3歳はお絵かき暗黒時代なので、2歳)の息子の絵といえば、大きな丸に目がグリグリ描かれたヒトであった。
そもそもあまり描いてないので枚数もない。
さすがに、保育園で皆で描いたものは残っているけど、
結局、頭から手足が出る「頭足人」は、1枚も描かなかったと思う。

しかし。4歳の春からは、お絵かきばかりしている子に……。
年長になってからは、ますます本人の執念が増し
園でほかの子が2時間で仕上げた課題を、息子は3日かけるなどし……。

どこでも、「おっとり」と言われる息子であるのに、
「ぜんっぜんうまくかけない!!」と目を釣り上げ、うなり、ドカスカ歩き回り……。
果ては、寝言でまで同じセリフで暴れてた。

こわい。悪魔かキツネにでもとりつかれたかのよーだ。

「どうしたら絵がうまくなるの!!」
「それはもう……練習。練習。練習するか、ある程度でナットクするか、しかないのよ」

わたしと違って絵を描くのが好きで、習ったりしたわけではないけど結構描ける夫と一緒に描いたり。
とは言え描きかたを教えちゃツマランと、夫もわたしも思っているので、教え込むことはせず、息子が気分よくお絵かきできるように導くくらいだったけど、、、

年長の冬には、「牧野庭園」で、4時間も、木や葉っぱをスケッチしてた。(夫と)
Eテレ「0655」を見て、行きたい、と言い出した小石川植物園では、建物を描いた。(夫と)

小学校入学のときに習い事を増やそうとして、
息子の希望に沿えば科学教室なんだけど
ひとつどうしても気になる造形教室があり、3月末の体験教室を待って、行ってみた。

造形教室って、ほかに知らないから比較はできないけど
息子の行っているI教室は、「今週はこれを描きましょう」みたいなことは少なくて(ないわけではない)、
素材やテーマは決まっているけど
「自分のイメージしたものをその通りに仕上る」ための技術を伝える、
という方針がすごくハッキリしていて、
夫もわたしも、「これかも!!!!!」という感じだった。

教室で一式買い揃えるお道具は、誰でも知っているような日本のメーカーのもので、わたしたち夫婦はまた心を射抜かれた……。
アート系だけど、しゃらくさくない!!!!!(暴言ですな)
「結局日本製が一番品質もいいし、手に入りやすいんですよ」
とは先生のお話。わたしは、すごく好きなカンジです。

息子も幸い「絶対ここに入る!」みたいな科学教室には出会ってなくて、
「どれか行ってもいいよ」くらいのスタンスだったので、
「造形教室にしよう!!」といって引きずり込んだ。

でも、今では、1週間で一番楽しみな時間になっているみたいで、よかった。

「来週は靴をスケッチするからね」と言われて
「Yくん結構スケッチ得意だから」なんて言っているの見て、おかーさん感涙。
そーだよ、お前は絵がうまいんだよ。おかーさん何度も言ったじゃないか。去年のお前は、何だってあんなに荒くれていたのか。

年長のときまでは、「おとーさんライオンかいて」とやっていたけど、
今では「おとーさんがかいてほしいもの、Yくんに言ってもいいんだヨ」とか言ってて、おとーさん感涙。
息子のリクエストにこたえて、おとーさんは、何枚も何枚も絵を描いたのだ。ヒーローとか、生き物とか。

ひいき目もあるけど、息子は今では、絵がけっこーうまい。
だって、年長のときは、毎日毎日をお絵かきに費やしていたのだから。しかも、自主的に。
保育園ではおままごとセットをキレイに並べて、ケーキセットやハンバーグセット。
山間に吠えるオオカミ。自分が考えた空想上の鷲。ハロウィンやクリスマス、正月には必ずイラストカード。人はあまり描かないかな。

そして、夫や息子を見ていると、絵がうまいということの基本は、「見る力」なんだなと思う。(わたしには欠けている、、、)

けど、ホントに大切なのは、うまいかどーかじゃなくて
描きたいなら、自分でナットクできる絵を描けることと
そうして描いたら「うまく描けた」と思えること、だと思う。

息子の年齢で本人が言う「うまい」っていうのは、
まわりからの評価も多少は関係するけど、
結局、「自分がナットクできた」てこととほとんどイコールだ。

息子のタイプ的なものもあるのかもしれないけど。

実際息子は、まわりがいくらホメても、自分が「うまく描けた」と思えなければ絶対に認めない。

自分の思った通りに描けるようになってきた息子は
「ぜんっぜんうまくかけない!」と荒くれることがなくなった。昼も夜も。
造形教室では、家ではできないこともたくさんしてくれるし
本当にココと出会ってよかった、と、先生に心から感謝しています。